先日ムーミンバレーパークに行ってきました。初めてということで入園券やアトラクション・チケットの取得方法などで少し戸惑いました。その対策は前回分をご覧ください。参考になればと思います。
目次
なぜ「つまらない」「がっかり」なのか?
結論
リアル・ムーミンバレーパーク
初見殺しの「沈黙の園」
心癒される北欧色
北欧文化に触れる体験型美術館
やはり1日では時間が足りない
提携ホテルがある?
世界遺産がある?
なぜ「つまらない」「がっかり」なのか?
さて、今回は園内を散策していて「がっかりした」とか「なんか想像していたのと違う」「つまらない」といった声を耳にしました。
( ちなみに、ネット上でも「つまらない」という反応が散見されます )
なぜ、「つまらない」「がっかりした」と思うのか?
しかも声に出して言うのか?
そのことに関して考察してみました。
結論
結論から言うと、その理由には以下の2つが挙げられると思いました。
(1)ムーミン作品を見ていない
(2)千葉や大阪にあるテーマパークをイメージして来てしまった
例えば、以下の写真のようなオブジェを見てどのように思われますか?
もしかすると、ムーミン作品に触れていない方は、不法投棄のごみが転がっているとしか思えないかもしれません。
しかし、ムーミン作品を1作でも2作でも見てから来られていたら、違った感想になっていたのではないかと思います。
これから行こうとされている方は、予習としてムーミンのDVDを見たり、本を読まれることをお勧めします。
図書館に行って絵本や本を読んだり、映画を見たりして予習してから行ってみると、より楽しめると思います。
ムーミン・バレーパークは絵本がベースとなった、見る人の想像力をかきたてる世界なのです。
2つ目の理由として述べた、千葉や大阪のテーマパークには、大がかりで手の混んだ装置を使用したスリリングなアトラクションが存在します。
そこにあるアトラクションは、乗り物に乗っているだけで楽しめる作りとなっているものが多いように思います。
しかし、そういったものはムーミンバレーパークにはありません。
では、アトラクションが無いのかというと、そんなことはありません。
ムーミンバレーパークにあるアトラクション(人を引き付ける物)は、千葉や大阪にあるものとは種類が違うのです。
それでは、どういった種類のものかと言うと、三鷹にある「ジブリ美術館」に近い性質のものだと言えます。
ジブリ美術館は、「ジブリの世界観」と「日本のアニメ文化」が人を引き付けるものであり、それらが「アトラクション(人を引き付ける物)」なのです。
それと同様に、ムーミンバレーパークは、「ムーミンの世界観」と「北欧の文化」がアトラクション(人を引き付ける物)となっているのです。
そのようなことから、ムーミン作品や北欧文化について知識がなければ「つまらなかった」とか「期待外れだった」と思ってしまうのかもしれません。
例えば、ジブリ美術館に行くと意外なところに作品に関連したオブジェが埋め込まれてあったりします。
作品を知っている方でないと味わえない心躍る瞬間が意外な場所に散りばめられていて、散策するだけでも感動するような構造になっています。
ムーミンバレーパークも、作品を知っていれば、これと同様の感動体験をできるような構造になっているのです。
どんな感動体験かについては、説明すると長くなるので、このことに関しての具体例は写真付きで以下の記事に載せていますので、こちらも見ていただければと思います。
「ムーミンバレーパーク攻略!(3)メッツァ・ビレッジ&ワークショップ編」
ムーミンバレーパークを訪れる際は、
ただの遊園地に来たとは思わず、
「ムーミンの世界」と「北欧文化」に直接触れられる美術館に来たのだと思って、
ゆったりとした気持ちで、緑に囲まれた美しい湖畔にたたずむ、こじんまりとした、かわいらしいムーミン谷をこころ穏やかに散策してみると良いと思います。
そうすると、「つまらない」とか「がっかりした」とは感じないはずです。
心和む不思議な充実した時間を過ごせると思います。
ムーミンバレーパークと隣接するメッツァビレッジを含む、宮沢湖一帯は、「北欧」と「ムーミン」をテーマとした大型美術館であると言っても過言ではありません。
また、ムーミンバレーパークの常設展示は、「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソンさんの思想に分かりやすく触れることのできる場でもあります。
トーベ・ヤンソンさんの祖国フィンランドは、日本やドイツ、イタリアといった枢軸国として第二次世界大戦に参戦し、ソビエト連邦と戦争をしていました。
「ムーミン」という作品は、そういった複雑かつ理不尽で過酷な世界情勢の中を生きたトーベ・ヤンソンさんの考え方が反映された作品とも言えます。
こんなことを書くと、歴史資料館のような難解な印象を与えるかもしれませんが、決してそんな小難しい要素は一切なく、笑いあり感動ありで見れる内容となっています。
ぜひトーベ・ヤンソンさんの素敵な人柄と作風を味わってみてください。
このような「文化」とも呼べるものに、楽しみながら触れられるのだと思って訪れると、なかなか貴重な体験ができたと納得して帰途につけると思います。
この説明でもまだ「つまらない」と感じる方は、以下の考察をご覧ください。
リアル・ムーミンバレーパーク
もし仮に、「ムーミンの世界観を忠実に再現したテーマパーク」があったとしたら、非常にスリリングでトラウマティックな体験をさせられるものとなると私は確信しています。
ちなみに私が想像するリアルなムーミンバレーパークは、以下のようなものです。
洪水でムーミンハウスが浸水して溺れかけたり、
スナフキンやムーミンに岩を山の上から容赦なく投げつけられたり、
ぼろぼろのいかだを作成して怒涛の荒海や激流を進まされたり、
ヘムレンさんに無理やりスキーを強要させられたりといった、
ベア・グリルも真っ青な肉体的にも精神的にも非常にハードなアトラクションが目白押しとなるはずです。
そして、登場キャラクターがフルキャストで登場してパレードでもしようものなら、どんな恐ろしいことが起こるかまったく予測不可能です。
ムーミンの世界観を忠実に再現した場合、怪我人とクレームが続出して数ヶ月で廃園となることが十分に予想されます。
こう考えてみると、今あるムーミン・バレーパークは、無傷で生きて帰れるだけでもラッキーだったと思える作りになっていると言えます。
ムーミンの作品に慣れ親しんでおられる方は、納得していただける方もおられるのではないでしょうか。
そんな方たちは、アトラクションなしでも園内や展示場を散策し、お茶を飲んだりショップに立ち寄ったりするだけでも十分に楽しめると思います。
初見殺しの「沈黙の園」
冒頭にも登場させた、このオブジェを見てあなたはどのように感じますか?
もしムーミン・バレーパークを訪れた際は、このオブジェを見ている来園者の反応を観察してみると面白いかもしれません。
おそらく、つまらなそうな顔をしている人と、楽しそうにしている人とに2分する様子を見ることができると思います。
ムーミンを知らないけれど、「遊園地でがっつり遊ぶぞ!」と思って来られた方は、こういったオブジェがたくさんあるのを見て、「なんだこれ?」と苛立ちを募らせることになります。
さらに、その苛立ちを払拭しようとアトラクションに行っても、肩透かしをくらったような気持ちで、苛立ちは増すばかりです。
そして、「つまらない」と自然に感情を吐露してしまうのです。
ついには、歩き疲れて途方にくれ、オブジェの前で理解に苦しみながら沈黙するのです。
つまり、ムーミン作品にここで初めて触れる方(初見)にとっては、この園内は「初見殺しの沈黙の園」となり得ます。
こういったオブジェはムーミンのめちゃくちゃな世界観を象徴しており、作品を知っている方にとっては感慨深いひと時を黙って過ごすことができるのですが、
初見の方にとっては意味不明なゴミ集積所のようなもので、沈黙するか文句を言うしかないのかもしれません。
初見の方は、ぐっとこらえて散策し、後日ムーミン作品を見てみると、味わい深いテーマパークであったと思い返すことができると思います。
なぜオブジェの横にもっと詳しい説明のある看板を置いたりしないのか。
あまりにも不親切ではないか。と嘆く方もおられるかもしれません。
しかし、それは三鷹のジブリ美術館に行って、宮崎駿監督に説明不足の美術館だと文句を言うようなことではないでしょうか。
それに、ムーミンの作品がリアルに再現されていると想像してみてください。
無事に生きて帰れるだけでも運がよかったと気づくはずです。
おみやげを見たり、パーク内を散策して展示を見たり、ゲームにチャレンジしたり、カフェでコーヒーを飲んだりして過ごすだけで十分だと思いませんか。
私は、ムーミンたちの不可解かつ理不尽な行動や会話を体験するのは物語の中だけで十分だと思います。
作品に目を通してみてください。リトル・ミィが一番まともだったりする世界なんですから。
このように、絵本を題材にしたテーマパークなだけあって、想像をかきたてられる素晴らしい設計になっていると私は思います。
心癒される北欧色
そんなことよりも、この独特のムーミン色をご覧ください。いわゆる北欧色ですね。
なんだかよく分からない北欧色のゼリーが沈んでいて蜂蜜レモンっぽい味で、すっきり甘くておいしかったです。このホットドッグも美味しかったですよ。
そして、KOKEMUS(コケムス)という展示施設に行くと、北欧色の嵐です!
北欧色は、やさしい落ち着きがあって、地味でもなく派手でもなく、渋すぎたりすることもなく、飽きのこない、ずっと眺めていられる癒し系の色合いですよね。
北欧雑貨を売るお店に行くと、こういう色合いのコーヒーカップとソーサーのセットが売られています。
そして、「これいいな!」と思って裏側を見てみると「グスタフスベリ」とか「アラビア」または「ロールストランド」などの刻印があります。
そして値札を見てみると「ビンテージ・1万何千円」などと書いてあり、いままで和みの境地にあった心が突然騒ぎ出します。
隣接するメッツァビレッジには北欧食器で食事を提供するお店や北欧雑貨のお店があります。この機会にムーミンバレーパークと併せて北欧文化に触れてみてはいかかでしょうか。
以上のようなことから、やはりこの宮沢湖一帯は、ムーミンバレーパークと隣接するメッツァビレッジと併せて「北欧」で統一されたテーマパークと言って差し支えないと思います。
北欧文化に触れる体験型美術館
このエリアに足を踏み入れることは、体験型の大きな美術館に来ているのと同じようなもので、入園料もなにもかもが文化的なものにお金を支払っていると考えてよいのではないでしょうか。
そう考えられない場合は、やはり「つまらない」「がっかりした」となってしまうのかもしれませんね。
さて、北欧文化と北欧色の嵐を満喫していると、知らぬ間に日が暮れてしまいました。
エンマ劇場のライブを見た後に、常設展示をゆっくり見て回ると外はもうすっかり日が落ちてきて建物がライトアップされていました!
ぼんやりとしたオレンジ色の明かりが落ち着きますね。
さて、結局のところアトラクションを回って、劇を見たり展示を見たりしていると、缶バッジを作ったりできるワークショップには行けなくなってしまいました。
やはり1日では時間が足りない
なにかを切り捨てないと、たった1日ではゆったりとした気分でムーミンの世界に浸るのは難しいということを悟りました。
15分ごとに変化が起こるジオラマをもっと見ていたかったのに残念です。
トーベ・ヤンソンさんの書いた病院の階段の絵も、もっとゆっくりと見ていたかったのですが、残念ながら閉園時間になってしまいました。
ここはメッツァビレッジとのセットで1泊2日。近隣の秩父観光なども視野に入れると2泊3日コースが妥当ではないでしょうか。
ムーミンの作品を見てほっこりしたお気持ちになられた経験のある方にはおすすめです。
提携ホテルがある?
ちなみに、後で知ったことですが、ムーミンバレーパーク公認ホテルがあるそうです。
宿泊すると、入園保証やノベルティグッズをもらえたりする特典が受けられるそうです。
世界遺産がある?
このムーミンバレー近隣にある秩父はパワースポットといわれる三峰神社や世界遺産登録された秩父夜祭などで最近注目されているようです。宿を近隣にとってゆっくりしてみるのもいいなと思います。有名YouTuberの埼玉の仙人も秩父に住んでいるようです。参考になれば幸いです。
ではキートス!(thank you!) ← 園内で結構聞きました。
そして、ヘイ!ヘイ!(bye! bye!)
次回(3)は立ち寄る暇もなかったメッツァビレッジとムーミンバレーパークのワークショップに再度日を改めて行ったことを書いてみました。
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