石見神楽を見るには?公演場所やスケジュール、見所など紹介【島根県観光】

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こんにちは、いぬくまです。

石見神楽とは、島根県西部の石見地方に昔から伝わる伝統芸能です。日本神話を題材とした分かりやすいストーリーとなっており、演者は豪華な衣装を身につけ笛や太鼓の音に合わせて踊ります。

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私は生まれが島根県で、子どもの頃は石見神楽を見る機会が多くありました。秋の奉納神楽では夜から翌朝まで神楽が行われ、夜更かしが公然と許されるので子どもたちは皆楽しみにしているイベントでした。観光客の方でももちろん観ることができますが、この奉納神楽は夜から翌朝まで続くかなりハードなものなので初めて観る方には向いていないかもしれません…。

でも安心してください!近年の石見神楽はお祭りだけでなく、日曜日やイベントの日でも行われるようになり、時間も2時間程度なので奉納神楽より気軽に観に行けます。なので今回は観光される方向けに、石見神楽が楽しめる場所やスケジュール、マナーについて詳しく紹介していきます!

目次

公演場所、スケジュール

石見神楽は島根県石見地方で定期的に公演が行われています。エリア別に公演場所とスケジュールを紹介します。

大田市

大田市は、世界遺産「石見銀山」や「温泉津温泉」が有名な地域です。

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石見銀山、龍源寺間歩坑口

公演場所について

【龍御前神社】温泉津温泉街にあり、駐車場が少ないので宿泊される方におすすめです。日時は毎週土曜日、20:00~21:00です。料金は1,000円からで中学生以下は無料です。日程によって神楽団や料金が異なります。詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。

江津市

浜田市と江津市にまたがる水族館「アクアス」や、「有福温泉」の美人の湯が有名な地域です。

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アクアスのシロイルカ

公演場所について

【湯の町神楽殿】有福温泉街にあります。日時は令和元年9/14、9/21、10/19、10/26、11/2、11/9、11/16、11/23、11/30、12/14、1/11、2/8、3/21(土曜日)で、20:30~21:30です。料金は500円で未就学児は無料です。有福温泉神楽団が踊ります。駐車場は有福温泉の無料駐車場が利用できます。

【石見小屋(神楽の里舞の市施設内)】国道9号線沿いにある「道の駅サンピコごうつ」に隣接した施設内にあります。日時は毎月第1・第3日曜日の16:00~18:00、第2・第4金曜日の20:00~21:00です。料金は、日曜日が1,000円(小学生500円)、金曜日が800円で未就学児は無料です。浜田方面から出雲方面へ車で行く際に通る場所なので立ち寄りやすいです。道の駅と隣接しているので駐車場も広いです。

浜田市

天然記念物「畳ヶ浦」や海産物が有名な地域です。

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浜田市鈴蘭別館にて

公演場所について

【三宮神社】日時は毎週土曜日の20:00~21:00(休演日あり)で、特別公演の際は20:00~23:30です。料金は通常公演が700円、特別公演が1,000円で、中学生以下は無料です。未成年の方は保護者同伴でお越し下さい。浜田市内の約50団体が週替わりで公演を行っています。出演団体や演目はこちらで確認できます。駐車場は境内の無料駐車場(40台)が利用できます。

【アクアスはっしー広場(海洋館アクアス敷地内)】シロイルカで有名な「海洋館アクアス」の敷地内にあります。日時は 3月~11月初旬、毎週日曜日・祝日の13:00~15:00 (休演日あり) です。料金はなんと無料です。駐車場(2000台)も無料です。有料の海洋館に行かなくても、敷地内の公園やショップだけで楽しめます。明るい時間帯に公演をするので、小さいお子さんがいる方や未成年の方でも気軽に見に行けます。

【道の駅ゆうひパーク浜田】国道9号線沿いにある道の駅で、夕日スポットとしても有名です。日時は毎月第2日曜日の13:00~15:00です。料金はこちらも無料です。駐車場 (150台) も無料です。フードコートが充実しているので、ランチの後に石見神楽を見に行ってはいかがでしょうか。

【旭温泉あさひ荘】旭インターチェンジから降りて2キロにある場所です。日時は毎週土曜日(2019年9月14日~11月23日)の20:30~です。料金は500円で、中学生以下は無料です。駐車場は9台と少ないのですが、他の施設から歩いて来られる距離です。周辺は旅館やホテルがあるので宿泊される方におすすめです。

益田市

「芸術文化センターグラントワ」や、「益田メロン」、柿本人麻呂を祀る「高津柿本神社」が有名な地域です。

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高津柿本神社、柿本人麻呂像

公演場所について

【益田駅前ビルEAGA(3階大ホール)】日時はGWを除いた毎週土曜日の19:30~21:00です。8月13日~15日はお盆公演があります。料金は500円で、中学生以下は無料です。駅前で、駐車場も200台完備されているので立地は良い場所です。有料駐車場ですが、1時間以内は無料で1時間を越えると以後1時間ごとに100円なので神楽だけ見るなら200円ほどの駐車料金で済みます。屋内なので、天気に左右されないのがメリットです。

津和野町

山陰の小京都と呼ばれる町並みや、千本鳥居が見所の「太鼓谷稲成神社」で有名な地域です。

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津和野町、太鼓谷稲成神社

公演場所について

【道の駅津和野温泉なごみの里】JR津和野駅から車で約10分の距離にあります。日時は毎月第1・3日曜日の11:00~、14:00~です。料金は無料です。この道の駅は、お土産の販売だけでなくレストランや温泉施設などもあるので車中泊としても人気の場所です。

【太鼓谷稲成神社】日本五大稲荷の一つに数えられている神社です。千本の真っ赤な鳥居が印象的です。日時は毎週土曜日・特定日(8月~9月、休演日有)の20:00~21:10です。料金は500円で小学生以下は無料です。駐車場は約100台で無料です。


※日程・料金などは、変更になるおそれがあります。事前に「石見神楽上演予定日程」で確認して下さい。今回紹介した場所以外の公演情報や演目情報も載っています。


石見神楽の定期公演は、土日に公演が集中しているので予定を立てる際は土日で計画しましょう。ただし、屋外の公演は雨天時に中止になるおそれがありますので天気予報の確認も忘れずに。

周辺で宿泊される方は神社の夜神楽、気軽に立ち寄りたい方は道の駅やアクアスの昼神楽を見に行くのがおすすめです。

次は石見神楽の演目について紹介します。

有名な演目と見所

石見神楽は約30種類の演目があります。演目は事前に予習していなくても、単純明快なストーリーばかりなので子どもから大人まで楽しめます。多くは古事記や日本書紀になぞらえてストーリーが展開するので、歴史好きの方にもおすすめです。

1回の公演で2~3演目舞います。今回は、特に公演数が多く人気の演目を3つ紹介します。

①大蛇(おろち)

日本神話「八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)」を題材にした演目です。

あらすじ
須佐之男命(スサノオノミコト)が出雲の国、斐の川を歩いていると嘆き悲しむ老夫婦に出会います。理由を尋ねると、毎年大蛇が現れ既に7人の娘がさらわれており、末娘の稲田姫も間もなくさらわれてしまうとのこと。それを聞いた須佐之男命は、娘を助けるために大蛇に酒を飲ませ酔ったところを退治します。見事に大蛇を退治した須佐之男命は稲田姫とめでたく結ばれることになります。

迫力のある大蛇が見所です。八岐の大蛇が火を噴いたり暴れたり「おぉ~!」と驚く場面が何度もあります。公演でトリを飾ることの多い演目です。

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②恵比寿(えびす)

出雲の国美保神社の御祭神、恵比寿さまが磯辺で釣りをする御姿を舞ったものです。

あらすじ
恵比寿さまが釣りをする御姿を舞うものなので、特にあらすじはありません。正式なストーリーでは大人(たいじん)や宮人(みやびと)が出てきますが、最近は恵比寿さまが鯛釣りをしている場面のみ舞うことが多いです。

祝いの席では定番の演目です。鯛釣りの前に撒き餌と見立てて福飴をたくさんばら撒いてくれます。こちらも大蛇と同じくらいよく見られる演目です。

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③塵輪(じんりん)

神2人、鬼2人が対決する華やかな演目です。

あらすじ
異国から日本に数万騎の軍勢が攻めてきます。その中に塵輪(白鬼・赤鬼)という、身に翼があり黒雲で飛び回る悪鬼が人々を害するのですが誰もかないません。それを聞いた第14代仲哀天皇(帯中津日子)は、自ら天の鹿児弓・天の羽々矢を持って従者の高麻呂とともに鬼を退治します。

見所は軽快でスピーディーな舞と豪華な衣装です。神2人と鬼2人が入り乱れる様子は迫力満点でファンも多い演目です。

定期公演では、この中のどれか一つは見られるのではないかと思います。初めて石見神楽を見る方におすすめなのが「大蛇」です。話も分かりやすく、迫力のある大蛇は大人から子どもまで幅広い世代で楽しむことができると思います。小さいお子さんには飴がもらえる「恵比寿」が大人気です(笑)。

※どこでどのような演目をするのか知りたい方は、石見神楽上演予定日程か、各施設のホームページ、電話等で予め確認して下さい。

今回紹介したもの以外の演目については、石見神楽のパンフレット等に詳しく載っています。興味がある方はぜひご覧下さい。

マナーや服装、持ち物は?

最後に、石見神楽を楽しむにあたってのマナー等を紹介していきます。今回は公演時間が2~3時間の定期公演を想定しています。地域ごとに開催される夜通しの奉納神楽に関しては別途調べて下さい。

写真や動画撮影について

撮影可能かどうかは公演場所のルールに従ってください。撮影は後ろの人の邪魔にならないようにしましょう。フラッシュは演者や観客の邪魔になりますので控えた方が良いです。公演場所によっては演者と一緒に、または衣装を着て撮影できるところもあります。

座席について

座席は自由席の場合がほとんどです。30分~1時間前に入場できると思いますので、良い席に座りたい場合は早めに行きましょう。道の駅やアクアスでは立ち見で気軽に見られるので、時間がない人におすすめです。

服装について

服装の決まりは特にありませんが、座敷の会場があるのでスカートよりもパンツスタイルがおすすめです。また、夜神楽を見に行く場合は冷えないように防寒対策はした方が良いでしょう。

マナーについて

宴会気分で大きな声を出したり騒いだりするのはやめましょう。お子さんがいる方は、子どもたちがステージに近づいて演者に触らないように気をつけて下さい。石見神楽の衣装は手縫いのオーダーメイドで1着300万といわれています。衣装に傷をつけたら大変ですよね。また、「大蛇」の身体をバシバシ叩くのももってのほかです。以前アクアスで大蛇を見た際に子どもたちが蛇胴を叩いたり引っ張ったりするのを見て驚きました。

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蛇胴も職人が和紙や竹で丁寧に作った貴重なものです。また、神楽とはもともと地域の前夜祭として神様へ奉納されるのが本来の姿です。観光といえど、鎮守の神様への感謝の気持ちを忘れずに!また、激しい舞のあとは大きな拍手を送りましょう。

持ち物について

屋外の会場の場合、夏は水分補給ができるものを持っていきましょう。夏は紫外線対策、秋冬は防寒対策が必要です。

秋冬はこのようなストールを一枚持っておくとひざ掛けにしたりマフラーにしたりできるのでおすすめです。

料金がかかる会場は当日現地で支払うことが多いので、現金を持って行くのを忘れずに。近くに宿泊される方はサコッシュに現金やハンカチ等を入れておけば身軽に行けますね。

座敷席の場合、座布団があるとお尻が痛くなりにくく楽なのでおすすめです。


石見神楽、定期公演の紹介は以上になりますがいかがだったでしょうか?

東京や広島などの都市部でも石見神楽を見ることはできますが、島根県石見地方には、石見銀山をはじめ温泉や町並みなど観光スポットがたくさんありますのでぜひ石見観光と併せて石見神楽を楽しんでもらいたいです。

では、また!

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