ベネチアを堪能するには?
ベネチアを堪能する上で、ゴンドラは外せないですよね。やはりこの機会に、ゴンドラでカンツォーネを聴きましょう!
ということで、前回に引き続き、イタリアのベネチア(ベニス)を堪能するためゴンドラでカンツォーネを聴くにあたっての予備知識として「ゴンドラ乗船までの流れ」を書いてみました。
ゴンドラとは1人漕ぎのボートで、横縞のシャツを着た人がゴンドリエーレという船頭(漕ぎ手)です。
今回は、乗船の流れなどについて書いてみました。
ちなみに、歌と演奏付きでゴンドラに乗った時の様子をYouTubeにアップしたものをページ下部に載せています。
なお、この記事の価格は2019年7月時点での価格ですので、ご注意ください!
※130円/1ユーロの為替換算で日本円表示しています。
目次
ベネチアでのゴンドラ・ライドの流れ
どのような流れでゴンドラに乗るのか項目ごとに紹介します。
1.ツアーガイドの手配で乗る
添乗ツアーガイドや現地ツアーガイドにお任せしておけば問題は起こりません。
チップの渡し方や額、マナーについてもアドバイスしてくれると思います。
もちろんスーツケースを持って乗船不可ということも教えてくれるはずです。
2.乗り場へ行って直接交渉して乗る
ゴンドラ乗り場「SERVIZIO GONDOLE(ゴンドラ・サービス)」へ行って列に並ぶと乗れます。支払いは現金のみです。
ここで、注意が必要なことがいくつかあります。
2.1.乗り場の特性を知ろう
ゴンドラ乗り場「SERVIZIO GONDOLE(ゴンドラ・サービス)」はベネチア各所に点在しています。
私は、この乗り場の特性を知る上で重要になるのが、Grand Canal(グランド・カナル)のリアルト橋の存在であると思います。
グランド・カナルとは、ベニスの中心を貫く大きな運河のことです。そこには、有名なリアルト橋(白い巨象)が架かっており、サンマルコ広場と双璧を成す、一大観光スポットと言えます。イタリア語では「カナル・グランデ」です。
下はリアルト橋からグランド・カナルを見下ろした写真です。「赤い星=水上バスの停留所」「緑の星=は水上バス」「黄色の星マーク=水上タクシー」です。
この停留所に頻繁に水上バスが発着を繰り返します。また、水上タクシーも行き交い、貨物船も荷物の積み下ろしで出入りします。右岸にはテラス席のあるレストランが立ち並び、リアルト橋周辺は昼夜問わず、大変な賑わいを見せます。
一方、このリアルト周辺から少し遠ざかるだけで、途端に静かな路地と狭い運河が複雑に入り組む閑静なエリアに出たりするのもベネチアの魅力ではないでしょうか。
といっても、やはりこのリアルト周辺で、スプリッツやベリーニを飲んだり、美味しい魚介系イタリアンを食べて、おしゃべりをして、そぞろ歩きをするのが好きな方が多いようです。そうして、お酒も入って何をしようかとなると、やはりベネチアに来たのだからと、ゴンドラに乗るのでしょう。
そして、リアルト橋(白い巨象)を背にゴンドラに乗った写真を撮って帰るというのがひとつの定番になっているようです。
以上のようなことから、リアルト周辺ではゴンドラの需要が高い上に、頬を赤らめたご機嫌麗しい方々が多くいらっしゃるので、値段を高めに乗せてくる確立も高いのではないでしょうか。
以上のような観点から、大雑把に分類すると、「リアルト周辺の乗り場」と「リアルトから離れた乗り場」の2種類に分けて考えることができます。
このように考えると乗り場の特性について、理解しやすいと思います。
そして、乗り場の立地により、いろいろと条件が変わることを知っておいたほうがいいでしょう。
3つのポイントに分けて説明します。
1つ目は、移動範囲(コース)が決まってくるということです。
乗り場によっては、お目当ての場所が遠すぎて行けなかったり、追加料金を支払う羽目になって、がっかりするかもしれません。
例えば、「グランド・カナルに入って、リアルト橋を見たかったのに、寂しく狭い運河しか通らなかった」というようなことです。
また、逆に「ため息橋をくぐって、閑静な狭い運河をゆったりと進んで欲しかったのに、交通量の激しいルートで揺れが激しく水上バスとすれ違うなど、気が休まる暇もなかった」などということもあります。
もちろん延長料金を支払えば行ける範囲は広がります。乗船前にコースをしっかり伝えることができれば問題ないでしょう。しかし、説明や交渉にかかる時間と余分なお金を費やすことになるでしょう。
2つ目は、船酔いするかもしれないということです。
上記の移動範囲と関係しますが、グランド・カナルのような大きな運河を中心としたコースでは多くのモーターボート(水上タクシー、水上バス、時には水上救急車)とすれ違うことになります。船酔いしやすい人や喧騒を好まない方は避けたいコースとなってきます。適正判断として、事前にトラゲットという渡しでグランド・カナルの揺れや船酔いに耐えうるものか試してみるのも手です。2ユーロで乗れます。
以下の写真でお分かりいただけると思いますが、かなり込み合っています。モーターボートが立てる引き波を超えながらゴンドラが行き交っているのが分かります。引き波で転覆はしませんが、揺れます。
3つ目は、法外な値段を要求される可能性があるということです。
特にグランド・カナルのリアルト橋周辺はその傾向が強いようです。
以上のことから乗り場の特性を考えて、どこで乗るか検討してみることをおすすめします。
ネットでコースを調べることもできます。
ちなみに私が撮影した動画は、「GONDOLA DANIELI(ホテル・ダニエリ前)」の乗り場から乗船しています。ため息橋を抜けて落ち着いた雰囲気の運河を抜けて戻ってくるコースです。最初だけ少し揺れますが、後はほとんど揺れません。追加料金を支払うとグランド・カナルのリアルト橋まで行ってくれます。
しかし、「40分あればリアルトまで行けるはずだ!」と交渉する能力があれば、追加料金なしで、いけるようです(笑)
2.2.交渉が必要
どの乗り場でも公定料金以上の価格を提示されることが多いようです。
公定料金より高い料金を提示された時には、
「高いですね。じゃあ、ため息橋を抜けて、グランド・カナルに入ってリアルト橋まで行ってくれるんですね!?」などの交渉ができれば、仮に高い値段でも折り合いがつくかもしれませんね。
しかし、たいていは交渉が面倒なので、その値段でいいよと言ってしまう方が多いのではないでしょうか。
交渉をしない裏には、「ベネチアのゴンドリエーレは大変な苦労をしているらしいから、がんばっていい仕事をしてくれるのであれば、昼間だけど100ユーロでいいよ!」という尊敬の念がこもっているという立派な方もおられるかもしれません。
ただし、そういう思いが伝わらないなら、あくまで公定料金(tariff/rate)の看板を指差して交渉するか、だめならコンシェルジュに言って、お互いがリスペクトできる状態でサービスを受けたほうがいいように思います。
もし、仮にちょい悪のゴンドリエーレに当たった時は、残念な結果となることもあるそうです。プロならではの速さでゴンドラを漕いで、20分弱で切り上げて回転率を上げることがあるそうです。
ゴンドリエーレは、プリウスぐらいの値段でゴンドラを買うそうですが、耐用年数は20年程度だそうです。しかもベネチアの生活コストは非常に高いといえます。食事や不動産の相場の高さに驚かされます。また、ゴンドリエーレになるには厳しい試験があり、操船技術・ベネチアの観光知識・3ヶ国語を話せる能力を試されるようです。
そういったことも考慮して「文化」に対して敬意を払う気持ちと懐の余裕があるなら是非多めに支払うべきだと思います。
ただ、その意図が伝わるか不明なら、やはり「コンシェルジュ」を間にかました方がいいと思います。
2.3.演奏・歌手付きの公定価格?
演奏・歌手付き貸切の公定価格はあるのでしょうか。
何も知らないまま、当たって砕けろで、貸切で演奏・歌手付きの価格をリアルト橋付近の乗り場で聞くと500ユーロだと言われました。
ムラーノ島周遊コースの聞き間違いだったのでしょうか(笑)
何箇所かゴンドラ乗り場を見て回りましたが、「演奏・歌手付きの公定価格」を私は見つけられませんでした。
とにかく「公定料金」が分からないのであれば、交渉など不可能です。
当記事を読んで参考になさるか、コンシェルジュに聞くことをおすすめします。ネット予約するのも良いでしょう。
3.コンシェルジュの手配で乗る
コンシェルジュのいるホテルでは使わない手はないと思います。
たいていは片言の英語で通じると思います。
私たちは、イタリア語を話せませんが、挨拶や数字(1と2だけ)はできるだけ使うように努力していました。
日本に来た外国人の方で、少しでも日本語を話そうとしてくれる方は親近感が持てたからです。
“Buon giorrno! ah…per favore!(コンニチハ!オネガイシマス!)”とイタリア語で言いながら、英語の簡単なメモを渡すと、簡単な英語で説明しながらメモをして返してくれたりします。
英語の発音が苦手な方はメモがあれば安心して話できます。
“tariff of gondola ride with music(演奏付きゴンドラ・ライドの公定料金)”
というような適当に英語で書いた紙を見せれば通じます。
コンシェルジュを通すメリットとしては、以下のようなものがあります。
◎ゴンドリエーレと価格交渉する必要がない。
◎良いサービスを引き出せる可能性が高い。
(コンシェルジュが間にいるので、下手なことはできませんよね。)
ただし、いくらかチップを渡す必要があるでしょう。
私は貸切で歌手と演奏者付きの公定料金を聞いただけだったので、4ユーロしかチップは渡していません。(2人×2ユーロと勝手に計算しました!)
予約まで全て頼んだ場合は、もう少し渡した方がよいのでしょうか?
ちなみに、ホテルで荷物を運んでもらったときは1個につき1ユーロだそうです。レストランではウェイターに食事代の10~15%を渡すとか相場がだいたい決まっているようです。気に食わないサービスをされたら、1ユーロや2ユーロでもいいようなことも聞きました。ホテルやレストランの格によっても違ってくると思います。
ただし、イタリアはチップ事情が他の国と異なるようで、レストランなどは、はじめからチップ込みの値段であったりします。その場合は、伝票に金額が「Servizio Incluso」と書き込まれています。
それでも、まだ感謝の意を示したいのであれば、合計が67ユーロであれば、70ユーロ出して、英語なら”keep the change.”(おつりはとっておいてください)イタリア語なら”Tenga pure il resto.” (テンガ・プーレ・イル・レスト)と言って端数を切り上げればスマートなのだそうです。
チップも慣れていないと難しいですよね。別に少なくても追いかけてくるわけではないので、出せる範囲の端数程度を出しておけばいいのではないでしょうか。
話は変わりますが、
ある方が、カーニバルの時期に有名ホテルのコンシエルジュに予約を依頼したところ、ゴンドラ・ライドだけで120ユーロと言われたそうです。公定料金に上乗せした額を敢えて提示してきたそうですが、サービスは良かったので満足しているとのことでした。
ちなみに、カーニバルとは2月下旬から3月初旬まで開催されるベネチア・カーニバル(仮面や衣装を身にまとい戦勝を祝ったことを起源とする行事)のことです。この時期には公定料金以上の値段を取られるのが割と当たり前のようです。
「コンシェルジュを通した上で、公定料金以上を支払う客」というのは、ベネチアの文化であるゴンドリエーレに敬意を払っているということが伝わるのではないでしょうか。お互いが尊敬し合える関係ならば、ゴンドリエーレや演奏者・歌手も敬意を持った対応をしてくれるのではないでしょうか。
このように考えると、コンシェルジュが担う役割は非常に重要であると思います。
4.ネットで予約して乗る
ネット予約は私達はしたことがないので、割愛しようと思いましたが、参考になると思ったので、第三回(次回)で詳しく書いてみます。
コンシェルジュでもゴンドラ乗り場でも「乗船時間」「コース指定」「演奏・歌手の有無」「食事の有無」などは予備知識と英語力が必要になると思います。
その点、ネットは有利です。手数料は必要ですが、全て日本語で詳細を理解した上で予約が可能です。
ちなみに、「2.1.乗り場の特性を知ろう」で上述しましたが、乗り場がどんな特徴を持っているか先に検討してみないと、ご自分が思い描くようなゴンドラ・ライドの体験が出来ない可能性があります。
そういった観点からも、事前にコースを知ることもできますし、料金交渉をする必要もないので、手数料を支払うことを惜しまなければ、ネット予約は良い選択肢ではないかと思います。
日本語で丁寧に説明してくれているサイトも見かけますので、ご自分で検索してみてください。以下の検索ワードでヒットすると思います。
「ゴンドラ」「予約」「セレナーデ」
参考動画
↑最後にサンタルチアを歌って巨匠が締めるまでのショートバージョンです。
↑ ため息橋をくぐる前から、感動のサンタルチアまでのフルバージョンです。
次回は第3回(最終回)です。ネット予約サイトの参考価格や公定料金、知っておくべき知識などを書いています。
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